畑のブログBLOG
2018.02.28
全体を意識すること
ある婦人科の症状で虚寒に伴う内湿の病と考えて治療していました。
脾腎の陽気不足による冷えが中心であることは問診と体表観察情報より間違いないと考えていた。
下焦の冷えは落ち着いてきていて、白膩苔(舌に白い湿った苔が生えている)も改善しているが症状に変化がない。
もう一度、患者さんに確認して病因病理と弁証を見直し、頭を整理する。
やはり脾腎の陽気不足に伴う虚寒で間違いない。
しかし、その背後にある肝鬱の存在を意識できていなかった。
それまでは下肢を中心に選穴していた。
全体を意識して、もう一度体表観察を行う。
上肢の経穴で脾腎に関わり、かつ肝胆(少陽経)と関わっている経穴に虚と冷えの反応が広がっている。
鍼を抜きに行くと、自分の家でしか眠れない患者さんが眠ってしまっていた。
患者さんは初めて自分の家以外で眠ってしまったことに加え、どこにいるかも一瞬わからなくなったと驚いている。
休憩後、再度体表観察を行うと全身のツボが大きく改善している。
上下、左右、前後、陰陽の世界。
また一つ患者さんから学ばせていただきました。