畑のブログBLOG
2020.11.10
精神論を語ると救われない
あらゆる精神性の問題が症状を引き起こす要因となっている場合に、例えば”ストレスには目を向けないように意識してください”や”趣味などの他に楽しいことをしてみてください”などと精神を楽観的に誘導するような行動を医療者が選択することは実に多いです。
場合によっては精神論を持ち出し、強い精神を身につける必要性を説くようなケースもあるかもしれません。
しかし、実にこの行動では患者さんは救われない場合が多いと感じます。
なぜなら、根本的に精神の危弱化が起こるプロセスへの解釈に誤りがあるからです。
多くはその個人の人格に問題をフォーカスして行きがちですが、大きな問題は「歴史的に」日本人の精神を弱らせるために何が起きたかということを知らないといけません。
確かに、明治時代までの日本人は強い精神力を持ち合わせていましたが、戦後にそれが破壊された事実を知っていないと本質的な解決へ導くことは難しいです。
つまりは、社会全体の流れをもっと意識する必要があり、それは歴史をもっと深掘りして学ぶ必要があるのです。
患者さんの中にはその学びすらも難しい場合もあります。
少なからず、医療者はそのことについて学ぶことは必須でしょう。
精神論のみで患者さんを分析していては患者さんは救われないように思います。