畑のブログBLOG
2017.04.14
気の思想とは5
前回までは、気というものを簡単に説明してきました。
今回からは、少し細い部分を説明していこうと思います。
人にとって、欠かせないものは空気を飲食物ですね。
空気を天空の清気、飲食物を水穀の精微といいます。
水穀の精微は後天の気として人間の生命活動の原動力となります。
これに対して、両親から受け継いで生まれ持った気を先天の気といいます。
基本的には生まれてからは後天の気が得られることにより、先天の気は尽きることなく補充されていきます。
そのため先天の気がもともと少ないことを別として、気が絶えることななく、基本要素として人間の体を栄養してきます。
この基本要素としては気の他に、精、血、津液があり、体の細胞、内臓器官などのすべての機能活動に重要になっていきます。
精というのは気の大元であり、最大のエネルギーです。
気というのは今までの話からさらに細かく述べると、先天の気と後天の気を合わせた真気、生命活動の原動力となる原気(元気)、心肺機能に関わる宗気、体の防衛機能や体温調節に関わる衛気、すべての臓腑や組織を栄養する営気、内臓器官に関わる臓腑の気、経絡を流れる経気などがあります。
血というのは西洋医学で言う所の血液とは若干異なり、肉体の栄養だけでなく、精神にも重要となります。
津液というのは人間の水分の総称ですが、皮膚を潤し、汗として体温調節を行う津と内臓、目や鼻などの粘膜を潤し、関節内に存在し、それぞれの動きを円滑にする液があり、別の作用をもたらしています。
また、正気(精、気、血、津液)と邪気(気滞、瘀血、湿痰邪、六淫の邪気など)という概念で分け、すべての病と関係します。
この基本が理解できていないと、東洋医学での治療はできないわけです。
長くなりましたので、次回は東洋医学の立場であらゆる疾患に対応するために必要な臓腑経絡についてお話ししていこうと思います。