畑のブログBLOG
2017.05.03
臓腑の気4
今日は肺の臓についてお話していこうと思います。
西洋医学でいうと肺は呼吸器の働きを中心に知られていることと思います。
東洋医学ではその働きは呼吸機能のみにとどまらず、全身の機能活動に重要なところとなっています。
まず呼吸を司るという、自然の清らかな空気を吸って、体内の濁気を吐くという働きは基本的な部分で、清濁の運化と言われています。
次に宣発粛降作用といって、腠理(毛穴)の開閉を行って発汗を調節し、それに伴って体温調節を行ったり、津液(水分)や水穀の精微を全身に送り届け、腎や膀胱に下輸しています。
また皮毛を主る(一身の気を主る)とされており、皮毛は外邪からの第一防波堤となり防衛作用を働かせ、身を守り、腠理の開閉で発汗による皮膚の滋潤作用をもたらしています。
そのため、肺の臓は嬌臓と呼ばれ、非常にデリケートな臓であります。
ここで初回のブログ付近でお話した「衛気」と脾のところで話をした「昇清作用」が関わってきます。
また細かいことは違う機会に話をしていこうと思います。
次に通調水道作用といって水液を全身に送り、余分な水液を膀胱に運ぶ働きです。
この働きは尿の異常と関連が深く、また鼻水や痰とも関わってきます。
風邪を引くと(東洋医学では外感病といい、傷寒と温病にわかれています)尿がでにくくなったり、鼻水や痰がでることがありますが、この働きも関与しています。
他にも病理がありますので、違う機会にまとめていきます。
次に百脈を朝じ、治節を主るといって、肝と心と関連して全身の気と血の流れを調節して、流暢にしています。
ここでも衛気との関連が大きく働いております。
そして肺は魄を蔵すといい、人間の原始的感覚(痒い、痛い、しびれなど)を感じる働きをもっています。
これには心の臓と関連しているので、心の臓のお話をしてから詳細を書いていこうと思います。
以上の様に、肺の臓というのは全身と大きくかかわりを持ち、その働きは多岐にわたるわけで、まとめると全身の気を主るということですね。
主には、清濁の運化、防衛の働き、発汗の調節、感覚的な作用、これらと全身を関連づけながら機能している器官です。