畑のブログBLOG
2017.05.16
弁証の大事
東洋医学的な鍼灸治療には、弁証という診断は欠かせません。
これは病を東洋医学のものさしで分析し、診断して治療方針を立て、実際に治療を行うという一連の流れで一番重要になります。
これが的確に初診の時点で行われなければ、患者さんをいち早く救うことはできません。
これには相当な知識量と分析力を身につけなければできません。
最近、症例をまとめる作業をずっと行っているのですが、この情報は正しそうだなとか、こっちの情報は微妙だなとか、この情報が抜けているなとか、確認不足だなとか、違う病因病理が関わっているのではないかなとか、こういう正しい情報と間違った情報を分けてより正しいものを導き出す作業は大変重要だと感じます。
これによりとてもクリアな思考をもたらしてくれます。
手の感覚がとても良い人や感の鋭い人、センスの良い人は、論理無くして治療効果を出してしまうことがあります。
ただこれは論理のない直感のみに頼っている反面、非常に危険な側面があります。
昔、とある先生にセンスがない、基礎はあっても臨床にはつながらないと言われたことがありました。
その当時は、私も鍼灸学校を卒業して1年くらいの時でしたから、技術がないことは事実でしたが、その反面基礎理論はしっかりしなければと勉強していた訳ですが、非常に悔しかったことを覚えています。
確かに基礎理論を実際の臨床に応用するのは簡単ではないと思いますし、技術的側面(手の感覚)というのも簡単に養われるものではないと思います。
だから現在も努力しなければと頑張っているのですが、他の人からすれば足りないかもしれません(苦笑)
ただ名人と呼ばれる凄腕の先生方、古来の有名な先人たちって、何十年も続けた膨大な勉強量と努力を怠らなかったからそうした技術を習得できたんだと思います。
そして、正確な診断、弁証を行い、磨かれた技術を駆使して難しい病気を治療されているんですよね。
私もこの先何十年とかけて勉強と努力をして、少しでも近づきたいなと考えてます。
ただ勉強するだけでは良くなくて、患者さん一人一人の症例を再分析して、まとめることもしないとなと反省している次第です。
凡人は凡人なりの努力をするしかないですね。
天才にはなれませんし、背伸びもできませんよね。
謙虚に。謙虚に。