畑のブログBLOG
2017.06.02
患者さんへの言葉がけ
鍼灸院に受診される患者さんには、今まで色々な治療を長年受けてきたが良くならず、なんとか良くなりたい一心で来院される方が多いです。
アトピー性皮膚炎やリュウマチ、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、うつ病やパニック障害等の精神疾患などと多岐にわたる様々な症状の方が来院されます。
中には希望を失いかけ、落ち込んでいる患者さんもいます。
そんな方の言葉かけは非常にデリケートであり、難しいです。
良くなりますよ、治りますよという言葉は患者さんの励みになるものであり、言うのは簡単であるが、では実際はどうなのか。
非常に軽症な患者さんでは通用するかもしれないが、重症な患者さんになればなるほど、治療経過の中で少しずつしか変化してこないこともたくさんあります。
時間をかけて、身体の大きなアンバランスを整えていかなければならず、治療に根気が必要なこともしばしばあります。
実際に効果が出て、初めてこの言葉は真実になるが、名人級の腕を持った鍼灸師の先生なら容易に使えるが、私にはそんな腕はないと思っています。
昔は勢いで良くなりますと言っていたことがあるが、今は慎重に使う様にしている。
確かにこの言葉で患者さんが安神し、心が救われ、症状が一気に改善することもある。
先日、大阪で開業している先輩の先生に患者さんのご家族をご紹介した。
その患者さんの話では、先生の心の深い所、隅々まで理解しようとする姿勢や人柄に非常に感動し、ご家族から患者さんへ喜んでお話しされていたとのことだった。
聞いただけで、私も感動しました。
私が勉強させていただいている団体は、問診に1時間以上かけ、体表観察で非常に細かなお身体の情報をたくさん得て、さらに細かな分析をして行う鍼灸施術である。
症状だけでなく、患者さんという一人の人間理解を徹底して行う。
そこには術者の気持ちが大きく反映されます。
このお話しを聞いた時、術者の気持ち一つで患者さんに希望を与えられるのだと、改めて実感した。
確かに言葉がけも大事なことで、これにより患者さんの運命を左右することもある。
しかし、それ以前に術者側の心持ちの方が重要です。
それが患者さんに伝わる。
やはり、術者と患者さんの気の交流は特別な意味を持っています。
治療は真剣勝負です。
治療は二人三脚です。
一緒に頑張りましょう。