畑のブログBLOG
2017.06.21
病因とは8
疫癘(えきれい)とは
強烈な感染性を持った病邪のことで、コレラ、デング熱、エボラ出血熱などのことを言います。
特徴としては
①季節気候の変化に関係がない
②感染性が強く、流行しやすい
③発病が急激で、重症化しやすい
④特異的な感染性を持つ
などが挙げられます。
一時期、デング熱やエボラ出血熱が話題になりました。
中には亡くなられた方もおり、死の可能性も出てくる非常に危険な病でもあります。
実際の治療経験がないためわかりませんが、SARSが流行した際は中医師たちが漢方薬を使って、かなりの効果を挙げていたようです。
こういう非常に感染力の強い病気でも、鍼灸や漢方は腕がある人であれば治せてしまうのでしょう。
最近来院された患者さんからの相談で、巷では感染症には鍼灸治療はできないと言われ、お医者さんからも止められていますがどうなのでしょう?とご質問を受けました。
鍼灸治療では感染症にも非常に有効な手段ですよとお話しましたが、世間では知らない方が多いのは当然です。
ただし、治療ができる自信があれば受けてもいいかもしれませんが、現時点で自信がなければ、西洋医学的な治療を進めた方がいいのではとも感じます。
発症から数年に及ぶ慢性的な蜂窩織炎で西洋医学では改善しないということで、以前から伺っていた施設の方からご依頼があり、最近診させていただくことになりました。
このケースでは、抗生剤などの薬が効かないということで困りはてていたところに鍼灸治療が候補にあがったわけです。
初めて診させていただく疾患ですが、簡単な病気ではないなというのが印象です。
早く患者さんを楽にしてあげられるように頑張らなくてはと思っています。
若干話がそれましたが、こういう強い邪気については毒という概念で捉えることができます。
蜂窩織炎については丹毒という表現をしますが、これまでお話してきた病因となる邪気が度を越すと毒になります。
熱毒、火毒、湿毒、寒毒、麻毒(はしか)、胎毒などと表現されます。
猛毒を持った邪気ですから、非常に重症な病を形成します。
邪気をためておくと非常に危険ですので、日頃から溜め込まないように対策が必要です。
運動や食事制限、気分転換も大事です。
またの機会にお話していこうと思います。