畑のブログBLOG
2017.10.10
なぜ1本しか鍼を使わないのか
患者さんから、なぜ鍼をたくさんしないのですか?とよく聞かれます。
今までに鍼灸治療を受けたことがある患者さんから聞かれる場合が多いです。
薫風堂で行っている鍼灸治療は、基本的に根本原因をダイレクトに治療していきます。
患者さんにとっては何が根本治療であるのか、そうではないのかということはわからないことが多いと思います。
たくさん鍼をすることも根本治療ではないの?と思う方がいても不思議ではありません。
例えば一つの的を狙って、30人が当時に矢を放つとします。
そのうちの一つの矢が的を射たとしても、誰の矢かどうかの判断ができません。
機関銃で撃った場合も同様で、どの弾が当たったのかわかりません。
結果的に的に当たればいいのではというのは、鍼灸治療の立場で見ると医療とは言えません。
患者さんを素早く治すことは当然のことですが、そこにはルパン三世の次元のような、ゴルゴ13のような確かな技術と理論がないといけません。
治療が効いた時の検証と効かなかった時の検証をすることも大切です。
体には経穴と呼ばれるツボがたくさんあり、それぞれにしっかりとした作用があり、理論と結びついています。
だから1本の鍼にこだわっています。
西洋医学的に難しい病気であっても、東洋医学の理論で病気のメカニズムを解析していくため、私の学術レベル、技術レベルで分析できるものであれば治療させていただきます。
全国的に見ても、伝統医学的な立場で鍼灸治療を行っている鍼灸院は2%ほどしかないようです。
ほとんどの鍼灸院や鍼灸接骨院で行われている治療は西洋医学的な局所治療で筋肉にたくさんの鍼をすることが多いということになります。
たくさん鍼をしたにもかかわらず効果が得られないと鍼灸ショッピングすることにつながった患者さんもいます。
西洋医学でもたくさんのお薬を内服しても効果が得られず、ドクターショッピングされているケースがあります。
患者さんは迷ってしまうのです。
困ってしまうのです。
長文になってしまいましたが、そのような方々が少なくなるよう小さな鍼灸院で微力ながらお手伝いさせていただきます。