畑のブログBLOG
2018.01.12
過敏性腸症候群と潰瘍性大腸炎
過敏性腸症候群は日本を含む先進国に多く、日本人の10〜15%に認められる病気で、便秘と下痢が主な症状です。
発症年齢は20代〜40代に多いそうです。
はっきりとした原因はわかっていません。
潰瘍性大腸炎は大腸粘膜に炎症が起き、びらんや潰瘍を形成する病気です。
症状は粘血便や下痢、腹痛が出現し、酷くなると体重減少や貧血、発熱を伴う場合もあります。
発症年齢は20代〜30代に多いようですが、50代〜60代の方にもあるようです。
原因は異常な免疫反応とされ、遺伝的要因や食習慣、腸内細菌の問題なども考えられているようですが、はっきりとした原因はわかっていないようです。
以下の症例は、初診時の主訴とは別に過敏性腸症候群の既往歴があり、潰瘍性大腸炎も併発されていた患者さんに対する鍼灸治療で効果があったものです。
※発症(1年前)から西洋薬を使用し、下痢の頻度が週に1〜3日、粘液便あり、出血なし→下痢の頻度が月に1〜2日(以外は軟便状の大便を1日1〜4回の排便)粘液便あり、出血なしとなっている状態で鍼灸治療を開始しています。
東洋医学的には泄瀉と痢疾という概念で考えていきます。
今回は出血がなく、主に下痢を中心とした症状であったため、泄瀉の概念で考えました。
弁証:肝脾不和、腎虚
治療:二診目まで同じ足のツボ一穴使用
三診目より六診目まで同じ手のツボ一穴使用
七診目以降同じ足のツボ一穴使用継続中
経過:治療開始より2週間下痢出現せず、普通便となる。
さらに1ヶ月間下痢なく、普通便を維持。
この病気は短期でうまくいくケースも多いですが、根気の必要な場合も多く、患者さんが治すという気持ちを保てるように私たちの心持ちも重要だと思います。
患者さんと二人三脚です。